手織りの技法や組織の名前
- 1 日前
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手織りには様々な織り方があり、綾織、ラーヌ織やローズパス、二重織にオーバーショットなど技法によってそれぞれ名前が付けられています。
手織りを始めたばかりの初心者さんや独学で手織りを学ばれている方は、技法の名前がわからず「あの織物が織りたいのだけれど、なんて調べたら織り方がわかるのだろう?」と困ったこともあるのではないでしょうか?
今回は、組織ごとに織物の技法の名前と特徴を一部ご紹介します。
気になるものがありましたら、ぜひ調べて織ってみてくださいね!
目次
-平織を基本とした組織と技法-
-綾織を基本とした組織と技法-
-特別組織-
-重ね組織-
-添毛組織-
-からみ組織-
-その他の技法-
そもそも組織とは?技法とは?
まずは、手織りの世界で「組織」「技法」が何を指し示す言葉なのかを整理しましょう。
組織とは、経糸と緯糸がどのような規則で交差しているかという、織地の構造やパターンの事です。織物組織の種類は多くありますが、その基礎となるものは平織・綾織・朱子織の3つで、これを「三原組織」といいます。
一方、技法は、組織を組み合わせて柄やテクスチャーを表現するための技術的な手法を指します。
組織と技法は、手織りの世界では混同されることもありますが、厳密に言えば異なる要素で、この二つの要素が組み合わさり、織物に様々な表現を生みだします。
-平織を基本とした組織と技法-

平織
必要な綜絖枚数:2枚
平織とは、経糸・緯糸がともに1本交互に交差する組織のことで、経糸2本・緯糸2段の最小単位で構成されています。
平織でおられた織地は、経糸と緯糸の交差点が最も多く、摩擦に強く丈夫でしっかりとした平らな布になります。
平織の組織は糸の太さや経・緯の糸密度を変えるだけでも様々な応用ができるため、広範囲に利用されています。
また、経・緯糸が同じ、もしくは類似の糸を使って経・緯糸の密度が等しくなるように織った基本的な平織は、「タビー」の名前で他の技法の一部として登場する場合があります。

ななこ織
必要な綜絖枚数:2枚〜
ななこ織とは、経糸・緯糸を2本・2段以上引き揃えて、平織のように組織させたものを指します。
基本の平織に比べて凹凸のある、やや地厚な織地が織れます。漢字では「斜子織」と書きます。
上の画像のように、一部に平織組織や別の変化平織組織を組み合わせてアレンジができます。
ななこ織は「変化平織」と呼ばれる組織のひとつです。

あじろ織
必要な綜絖枚数:2枚
あじろ織とは、平織組織を使った、色糸効果と呼ばれる技法のひとつです。
経・緯のどちらも2色の糸を交互に通すことで縦縞・横縞ができ、それを組み合わせることであじろ柄を作ります。
同じ色を2本連続させた場所で縦縞・横縞の柄が切り替わりますので、この仕組みを使って柄をデザインします。
漢字では「網代織」と書きます。
あじろ織のように、組織と配色の組み合わせで模様を作る技法を「色糸効果」と言います。
この色糸効果を応用した模様としては、他に綾織組織を使った千鳥格子(グレンチェック)などが有名です。
この技法を含む、「色糸効果」についてのオンラインレッスンがございます。詳細と再開講リクエストはこちら

ラーヌ織
必要な綜絖枚数:2枚
ラーヌ織とは平織組織を使って、緯糸で色柄を表現する技法です。
ラーヌ織のように緯糸のみが表面に見えるようにして色を表現し、かつ緯糸を1段ごとに端から端まで通して織る技法を「バウンド織」と言います。
そのためラーヌ織は、「平織組織のバウンド織」とも言えます。
ラーヌ織では、1段交互に緯糸の色を変えて織ることで細い縦縞を、2段以上織ってから緯糸の色を変えることで任意の太さの横縞を織り出すことができます。
地厚でしっかりした仕上がりになるため、バッグ・マット・タペストリーなどの作品に向いた技法です。
バウンド織技法の緯糸には、梳毛糸タイプの糸より紡毛糸が向いています。
この技法におすすめの緯糸→つづれ用紡毛1/3
この技法にはオンラインレッスンございます。詳細と再開講リクエストはこちら

つづれ織
必要な綜絖枚数2枚〜
つづれ織とは平織組織を主に使って緯糸で色柄を表現し、模様に合わせて部分部分で糸を折り返しながら色を変える織り方を指します。
漢字では「綴織」と書きます。
同じ段の中でも緯糸を折り返しながら織るため、工夫せずに織ると「把釣穴(スリット)」と呼ばれるすき間が出来て布が弱くなってしまいます。
この問題を解決するために各種のテクニックが見出され、それが綴織の技法として応用されています。
風景や緻密なモチーフを織り出せるため、古くからタペストリーなどを織るために使われています。有名な作品ではフランスの「貴婦人と一角獣」などがあります。
日本では、帯などに使われてきた西陣織が有名です。
この技法におすすめの緯糸→つづれ用紡毛1/3
この技法についての教室→本格綴織教室

リップスマット
必要な綜絖枚数:2枚〜
リップスマットとは平織組織を使って、経糸のみで色を表現し、緯糸の工夫によって柄をデザインすることのできる技法を指します。
経糸の密度は緯糸が見えないほどに高く設定しておき、表面には見えない緯糸には太さに差のある2種類の糸を使い、交互に織って柄のブロックを作るのが基本です。
技法の名前にも"マット"とある通り、厚手の織物になります。細い糸を選べば、バッグなどの小物に仕立てることもできます。
この技法におすすめの経糸→シャギー用紡毛3/3 , 結束糸10/13
この技法を使った織り方レシピ付き糸キット→ウォームマット(リップスマットver.)
この技法にはオンラインレッスンございます。詳細と再開講リクエストはこちら
-綾織を基本とした組織と技法-

綾織
必要な綜絖枚数:3枚〜
綾織とは、経糸・緯糸が3本以上からつくられ、浮いた部分が斜めのライン(斜文)を描くのが特徴の組織です。平織に比べ組織点が少ないため、平織より摩擦に弱いですがソフトで光沢にとむ織地になります。
完全組織の経・緯の数が等しいものは正則斜文と呼び、斜文が45°になります。
綾織の組織は下の図のように、分子分母が左右にずれた分数と矢印で表すことができます。
綾織の完全組織1段分を見た時、経糸の見える本数を分子、緯糸の見える本数を分母とし、矢印で斜文の流れる向きを表しています。
簡易的に、『2:1の綾』『2:2の綾』『2:3の綾』などと表現されることもあります。

綾織の変化組織は種類が多く、経糸と緯糸の配列を変化させたり増減したりして作りことができます。それぞれの特徴により曲がり斜文・飛び斜文・山形斜文・伸び斜文・破れ斜文・あじろ斜文・昼夜斜文などに分類されます。
この技法を使った織り方レシピ付き糸キット→ダイヤモンドツイルのテーブルセンター

ローズパス
必要な綜絖枚数:3枚〜
ローズパスとは綜絖の通し方についた名前で、その綜絖の通し方を利用した織物は全般にローズパスを冠します。
綜絖の通し方は[山型もしくは谷型の綜絖通し+頂点と同じ綜絖}を1リピートとした通し方が代表的です。例えば4枚綜絖の場合、「12343214」の8本を1リピートとして考えるのが基本です。
上の画像のような織物を織るための技法は、「バウンドローズパス」と言います。
ローズパスの綜絖通しで、綾織の組織を使って緯糸の色で柄を表現する技法を指します。
日本では「ローズパスの織物」と言うと、このバウンドローズパスを指す場合が多いです。
上の画像のバウンドローズパスでは3:1の綾で織っていますが、2:2の綾などの綾織でも綜絖通しがローズパスで緯糸のみで表現されていればバウンドローズパスとなります。
バウンドローズパスについては、スウェーデン語の「ブンデンローゼンゴン」で呼ばれることも多いです。
この技法におすすめの緯糸→つづれ用紡毛1/3
この技法にはオンラインレッスンございます。詳細と再開講リクエストはこちら
-特別組織-

サマーアンドウィンター
必要な綜絖枚数:4枚〜(上の画像は8枚綜絖で織られたもの)
サマーアンドウィンターとは、浮糸によって柄を作る組織の一種で、同じ浮糸で柄を作る別の組織(オーバーショットなど)とは、柄を作る仕組みで区別されます。
一つのブロックに使う綜絖はタビー用に2枚+柄用の1枚の3枚を使い、経糸4本1組でブロックを作ります。
それぞれのブロックに柄が入る/入らないを、柄用の経糸の開口により決める事で幾何学的な柄を織ることができます。
ブロックの変わり目で柄がはっきりと分かれること、また表裏で完全に色が反転するのが特徴です。
織り機の綜絖枚数からタビー用の2枚を除いた数のブロックが作れます。
つまり、4枚綜絖なら2ブロック、8枚綜絖なら6ブロックというように、綜絖枚数が多いほどブロック数を増やせて、より複雑な柄を織れます。
また、柄糸の操作を綜絖に頼らずピックアップ棒を使って行うことで、曲線など自由な柄を織ることができます。
この技法は「タビーを使用」もしくは「use tabby」と書き添えて、タビー部分を省略した組織図で記載されたり、組織図に代わって柄図が記載されている場合もあるため、本などを参考して織るときには注意が必要です。
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スウェディッシュレース
必要な綜絖枚数:4枚〜
スウェディッシュレースは、レース織と呼ばれる組織の一種です。
経緯どちらも6本を最小単位として構成する組織を使った透け感のある織物が作れます。
ブロックごとに経・緯糸のいずれかが長く浮き、そのことで6本の内の5本の糸が寄って間が空き、透け感のある織地に仕上がるのが特徴です。
経糸が浮いて見えるブロックと緯糸が浮いて見えるブロック・平織のブロックの組み合わせでニュアンスのある柄を作ることができます。
同じレース織の種類には、「ブロンソンレース」「ハックレース」などがあり、それぞれ密接な関係があります。
特にブロンソンレースは組織が近しいため、この2種は混同されてひとつの組織として扱われている場合もあります。
この技法におすすめの糸→リネン25/2
この技法を使った織り方レシピ付き糸キット→リネンのスウェディッシュショール
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-重ね組織-

二重織
必要な綜絖枚数:4枚〜
二重織は上下に2枚重ねた状態で布を同時に織る技法です。
緯糸を入れる方向と綜絖を動かす順番を工夫することで、重ねた織り地のどちらが上になるかを決定したり、織地の幅や形状を変えることができます。
二重織の中でも一定のルールで定期的に上下の織地を入れ替えて織る場合には「風通織」と呼ばれる技法になります。
他にも、二重にした織地の片側をつなげて織れば、織り幅の倍のものが織ることができます。(倍幅織)両側をつなげて織れば袋状になった織地を作る事ができます。(袋織)
経糸を部分的にピックアップして織ることで、上の画像のように細かい模様を織ることもできます。
ポーランドのヤノフ村の織物やスウェーデンのフィン織も、このピックアップを使った二重織の一種です。
どんな組織の組み合わせでも、2つの織地を重ねて織れば二重織と言えます。
綜絖枚数を増やせば、片方は2枚綜絖で平織、もう片方は4枚綜絖の綾織で織ることもできます。
織地を3枚重ねて織れば三重織、4枚重ねれば四重織...... となっていきますが、二重織も含めてそれらは全て「重ね組織」に分類されます。
この技法を体験できるワークショップ→くるくるソーイングポーチ
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-添毛組織-

コーデュロイ
必要な綜絖枚数:4枚
コーデュロイとは添毛組織の一種で、緯糸が長く浮くように組織でブロックを作り、その浮かせた緯糸を切ってパイルにしたものを指します。
カットパイルに畝ができることが特徴となります。
組織の構成によりシングルコーデュロイとダブルコーデュロイに分かれ、パイルの密度感や柄の出方の特徴が変わります。
シングルコーデュロイの場合、カットの仕方を工夫して、まっすぐ均等な畝だけでなく、ジグザグにしたり畝の幅にバリエーションを持たせることができます。
コーデュロイは冬用衣類などでよく使われますが、手織りの場合は機械織りの服地とはまた一味違う織り地に仕上げることができます。
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-からみ組織-

もじり織
必要な綜絖枚数:3枚〜(半綜絖の場合)もしくは2枚〜(ピックアップの場合)
もじり織とは、半綜絖やピックアップ棒を使い、隣り合う経糸をもじって位置を変えながら織る技法を指します。
もじることによって隙間が生まれ、通気性の良い織地に仕上がります。
そのため、古くから夏の着物や帯地として使われてきました。
平織と組み合わせることにより、透かし模様のように見せたり、緯糸が上下に波打つように見せたりすることもできます。
もじり織の中でも、何本を1組としてどのようにもじるかによって見え方が変わります。
同じ2本1組でもじる場合でも平織との組み合わせ方次第で、紗・絽・ほら絽に分かれます。上の画像は絽になります。
さらに、もじる糸の組み合わせを変えながら織ることで羅と呼ばれる技法になり、羅の中でもどのようにもじるかによって細かく種類が分かれます。
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-その他の技法-

ノッティング
必要な綜絖枚数:2枚(フレーム織もおすすめ)
ノッティングとは、経糸に緯糸を結びつけて毛足のある織地を織る技法です。
横一列に1段結んだら、ノッティング部分を抑えるようにして平織を数段入れて安定させます。
毛足の長さは自由に変えたり、色をミックスして複雑なデザインを作ることができます。
この技法に分類される織物として、ペルシャ絨毯やフィンランドのリュイユ、日本では段通があり、その他にも世界各地に伝統織物として見ることができます。
この技法におすすめの緯糸→つづれ用紡毛1/3
この技法を使って織るキット→ノッティングチェアマット各種
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