「TD55 三人展」レポート



アートスペース163銀座で開催の「TD55三人展」を拝見してきました。


寺内直美先生は使用者の痕跡の残る古布や古綿にこだわって制作をされており、写真(右上下)では昔の兵隊が使っていたゲートルを作品に使用していらっしゃいます。

人が布に痕跡を残してきたこと・これから残すということを重要視されており、作品にはぜひ触れて欲しいと、見た人が自由に組み合わせることを楽しんでいらっしゃいました。


小淵佳子先生は睡蓮やハスをモチーフにして織とフェルトを融合させた作品と、裏と表で織模様の違って見えるマフラーなどを出展されていらっしゃいました。

先生は「ひつじぐさ」という言葉を、よく使っていらっしゃいますが、これは睡蓮の別名なのだそうです。ひつじぐさという言葉のイメージの中に、モチーフとして好まれている睡蓮と、素材・技法としてこだわっていらっしゃるウールや縮絨、羊が草を食んでいるイメージが詰まっているのだと仰られていました。


大原悦男先生は今回の展示では、普段と作風や作品の材料を変えて制作していらっしゃいます。中南米の街並みや民族衣装をモチーフに、パンチカーペットを切り貼りすることで色鮮やかに表現されていらっしゃいました。

パンチカーペットの、ともすれば無骨なイメージを持つ工業製品を材料にこんなに柔らかな表現ができるのか!と目から鱗でした。


多摩美術大学染織科の同窓生である御三方が、卒業後もそれぞれに制作活動を続け、素材との出会いや技法の研鑽を重ねて作ってきたものを、お話を伺いながら拝見できる贅沢な展示会でした。 (6/25 スタッフレポート)